つなぐこと

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お客様から「洋子さんですか?」と尋ねられる
店名から名前を連想されるそう
「いいえ、祥子(しょうこ)という名前なんです」
と返すと、決まってどうして洋という店名に?という話になる

お店を立ち上げようと決め、店名をどうしようと考えたとき、浮かんだ店名は2つだった
「灯台」「洋」
灯台は、わたし・誰か・社会への一筋の道しるべになるようなお店になるようにと願いを込めた
洋は、大きくて広いという意味があるそう
小さな沖縄の小さなお店に、大きくて広い視点で日本の優れた心地良いものを
また、わたしの大切な人の名前一文字と、祥子の祥の半分が存在してて
新しく生まれ変わるような、想いや願いがシンプルに表現した
悩むことなく、わたしは「洋」を選んだ

ロゴ・アートワークをへんな優さんへご依頼
優さんのお仕事は聞き取りから始まる
物語が生まれる背景や想いや願いを丁寧に聞き取る
ご提案のキャプションのなかに、こんな一文があった
『「羊」の縦の線は、航海を見守る灯台を、「さんずい」と「羊」上部のラインは、
灯台が放つ光をイメージしています。』
「優さん、わたし、優さんに店名の候補に『灯台』があったこと、お伝えしてましたか?」
とても、とても驚いた
ただただ驚いて、打ち合わせのマクドナルドでしくしく泣いた

父親の名前を一文字、その家に産まれた男の子に継ぐという風習があったりする
人が生きた証や想いを残そうとがんばったりもする
眼鏡屋の店主さんにこう言われたことがある
「あなたが生まれたことで、もうお父さんが形を残してるんだから
お父さんを無理に残そうとがんばらなくていいんだよ」

つなぐこと、つないでいくことは簡単なことじゃない
それでも、何かをつなぎたいと思ったり願ったりがんばったりする
形を変えてでもつながりたいと思う
私にとってつなぐことは、亡き父と対話しているようなキャッチボールをしているような

自分史や家族史の一ページのような、洋という店名が生まれた背景