居場所
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沖縄の方言で「ゆんたく」という方言がある
おしゃべり、お話するという意味だ
方言に疎い私でも、幼い頃から耳馴染みがあり、普段から口にする数少ない方言のひとつ
母方の曽祖母は那覇で小さな商店を営んでいた
日用品や食品を取り扱う比嘉商店
保育園が終わると祖父母が迎え、曾祖母のお店で駄菓子を貰い、一緒に相撲中継を視聴するのが幼い頃の日常だった
曾祖母の名前はカメ
小銭がたくさん入った白色のレースが縁どられた前掛けがカメさんのユニフォーム
籐の椅子に腰掛け、団扇を仰ぎながらお店に来るお客さんを出迎える
お客さんはお店に品物を買いに来るついで、カメさんと長いゆんたくをしていく
方言が飛び交う空間、楽しそうな表情、カメさんの居場所は心地が良かった
洋にいらっしゃるお客様は近しい友人や初めて出会う方様々だけど
多くの方がゆんたくしていく
お菓子作りが好きな私は、作った焼き菓子とお茶を出す
最近はゆんたくと言うよりカウンセリングに近いような
お洋服や本を買いに来たついでか、ゆんたくをするついでにお買い物なのか
しょうこさんに会いに来たよーと言われると、とてもこそばゆくも嬉しく有難い
居場所が出来て嬉しいと仰ってくれたお客様
私の居場所が誰かの居場所になる
カメさんもこんな気持ちでお仕事をしていたのかな
なんて幸せな仕事なんだろう
目に見えない流行り病が落ち着いたら、店舗前に籐の椅子を設置して
緑を見ながらお客様とゆんたくしたい
洋の小さな目標です